ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2011年4月1日金曜日

「悪魔を見た」~再び韓国へ(サカモト)


韓国へ来る前に、この映画を見たかった。ふと調べたら「悪魔を見た」は、シネマート六本木でしか上映されてなく、唯一の休みに六本木に出向いた。計画停電、節電のこともあり、映画は昼間しか上映されていない。正午に六本木に着き、昼食を取ろうとブラブラする。人が多く入っている店は落ち着かないので、窓越しに空いている店を横目で探索し、トルコ料理屋に入る。ジンギスカン丼とトルコビールを注文する。客は、女二人。私と異国の派手な女。多分、娼婦ではないかと思った。昼間からすでにぐでんぐでんである。私は日々の忙しさから開放され、平日の休暇に昼からビールを飲む幸せに、のほほんとする。その女は店のトルコ人従業員に日本語で「コロンビアは好きよ、コロンビアはいいね。」とからんでいる。そんな光景もほほえましく、食事も終え、映画館に出向く。イ・ビョンホンを見るために。

映画館を出て、胃が重く、言葉が出なくなってしまった。早くコーヒーを飲んで気持ちを落ち着かせたい。残虐な殺人シーンは、何度も目をつぶり、スクリーンを凝視することもできなかった。けれど、どこか感動している私がいる。それは俳優という職業を選んだ人間に。二人の男優は凄まじい。現在、私達の演出家である、イー・ユンテクさんはある時、言った。俳優は誰でもできるものではないんだよと。その言葉の重みが胸に響いてくる。人に訴えかけてくるものは、何であるのか?勿論、いい本であればその設定で、情で泣ける場合もあるだろう。けれど何か胃が重くなる、この症状は私には真実だ。その何かに向かってもう一歩、私も俳優として踏み出したい。本日3/31、韓国金海空港2100時到着。韓国の夜景はあたたかい色あいである。4月からの明日は、またこの韓国で、生き返るような新しい一歩を踏み出したい。

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