ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2013年2月24日日曜日

冬を越える(ヨシムラ)

厳しい寒さが続いておりますが、太陽が登る時刻もだんだん早まり、冬を越えたと実感します。


春を待つ気持ちと、近づく公演への焦りも感じつつ、一歩ずつ稽古を進めています。同時にイメージを膨らませるため映画を見たり、衣装の買い出しに出かけたり。今回の短編集のひとつ「3月のモスラ」は、「八月の鯨」へのオマージュでもあるのですが、今まさに岩波ホール「八月の鯨」が上映されていると知り見に行ってきました。懐かしいホールのロビーで支配人の高野悦子さんがこの2月に亡くなられていたことを知りました。ルキノ・ヴィスコンティやエミール・クストリッツァ監督を知ったのもこのホールでした。高野さんは各国のたくさんの名画を紹介し、岩波ホール創立日である2月9日に亡くなられたそうです。「八月の鯨」は、頑固でわがままな盲目の姉(ベティ・デイヴィス)と優しい妹(リリアン・ギッシュ)、老姉妹の1日半を描いた映画で、失う寂しさ残酷さも描きながら最後にしっかりと希望を残してくれます。

また過日は、半世紀以上も現役で活躍されている大先輩女優の方とお会いする機会があり、このようなことを仰っておられました。「役者は表現のための表現をするのではなく、作品をいかに有効に、魅力的にするかということを考え、本をとことん読み込み、その人物が一番魅力的に見える解釈、方法を探っていけば、表現は自ずと生まれます」

今回の公演のように作者が身近におられる場合、つい作品や台詞について思ったことや意見を言ってしまうのですが、またそのような環境も悪くはないのですが、作家が心血を注いで生みだした言葉をまずは読み込み、そこから作品や人物が生きる解釈を見つけてゆくのが役者の楽しみではないか、などと思いました。

高野悦子さん、八月の鯨の姉妹、お会いした女優さんは、70代から90代の方々。本当にすてきな女性たち。姿勢正しく真っ当で美しく歳を重ねてゆきたいと切に思った次第です。

こちらもがんばります!



ご予約こちらまで。

3月15日(金)19:00
3月16日(土)14:00/19:00
3月17日(日)14:00
3月18日(月)14:00

会場:六本木ストライプ・スペース
地下鉄六本木駅芋洗坂徒歩5分

出演: 村松恭子 吉村恵美子

脚本: 高見亮子
演出: 勝田安彦

2,500円 ワンドリンク付 自由席(開場は開演の40分前)


2013年2月17日日曜日

三浦半島合宿(サカモト)


 
             「油壷マリンパーク」のいるかくん

今年、冬公演の韓国戯曲作品のテキストレジの為、キム・セイルさんをはじめモズ企画有志で、三浦半島の海沿いで合宿をしました。キム・セイルさんが選別した戯曲3本を、もう一度日本人の私達を含め読み直し、完成化へ近づけるという作業です。

三崎駅に到着すると、どこかで見かけたお顔が。菅間馬鈴薯堂の稲川実代子さん、思わず走り寄り抱きついてしまいました。こんな偶然ってあるんですね。テレビドラマの撮影で、三崎まで来てるということでした。以前こちらの劇団に客演し、大変お世話になりました。

子供の頃、よく海水浴に訪れたこの街。こうして何十年も経ち訪れてみると独特な思いがこみあげてきます。二日目の朝には曇り空ではありましたが、海沿いを散歩。1月はずっと図書館で篭ってましたから、ひらかれた海を前にものすごい開放感でした。本当にこれからは芝居に突入だ!と思わず、心の内で、海に向かって叫んでしまいました。

4月の朗読の稽古が始まり、5月公演の顔合わせ、ZORAの本選び、活動を開始しました。今年一年、悔いのない舞台に近づけられるよう頑張ります。


    ワカメおばさん、手には朝拾ったワカメが。久保庭尚子さん         
             

2013年2月10日日曜日

春まぢか。『SHOWとショート・ショート』(ヨシムラ)

寒くて寒くて。がたがたと震えるほど寒くて、深夜40度近い熱。うまれてはじめてインフルエンザに感染した。三日三晩こんこんと眠り続けたあとは、細胞が入れ替わったようにすっきりと目覚めた。しかしずっと風邪もひかず、健康だけには自信があったが、昨年頃よりガタが来始めて自信が揺らいでいる。節目なのである。体内の声に耳を傾け、過信せずに、調子よく、いきいきと生きていかなければ。

そんなこんなで約一週間休んでしまいましたが、再始動です。まずは、3月の公演。本公演のための書き下ろし新作短編も完成し、あとは稽古のみ!!


勝田演劇事務所プロデュース公演
『SHOWとショート・ショート』




2013/03/15(金) ~ 
2013/03/18(月) 

会場:六本木ストライプ・スペース
地下鉄六本木駅芋洗坂徒歩5分

出演: 村松恭子 吉村恵美子

脚本: 高見亮子
演出: 勝田安彦


2,500円 ワンドリンク付 自由席(開場は開演の40分前)


3月15日(金)19:00
3月16日(土)14:00/19:00
3月17日(日)14:00
3月18日(月)14:00


スタッフ 
美術/加藤ちか
音響/小沢高史
照明/光田卓郎


共演させていただいている村松さんとの出会いは、20数年前にさかのぼります。その頃の村松さんは、後輩のわたしから見るとかなり「ぶっとんで」ました。過激で、あぶなっかしくて、あふれる情熱と愛情を持て余しているようにも見えました。今その大きな愛は、ご家族やまわりの人をあたたかく包んでいます。村松さんはわたしにないものを持っています。包容力、やわらかさ。そのやさしさについ頼ってしまうのですが、甘えてばかりもいられません。果敢に挑んでいきたいと思っています。こんなに長いおつきあいなのに、相手役は初めてなのです。おまぬけ探偵や、老姉妹、女優の楽屋ものなど、バラエティに富んだラインナップ。どうぞお楽しみに♪

こちらもご覧ください。

2013年2月1日金曜日

高瀬舟(サカモト)


1本の電話から、急遽、こちらに参加させていただくことになりました。役者堀越さんから、今、自分が語りたいと思うものある?と聞かれ、即答で、森鴎外「高瀬舟」と答えました。公演が、4月と聞いて殊更そう思いました。

以前、日本語で語ることが辛く、随分と落ち込んでいた時期がありました。感覚で突っ放してきた限界がありました。東京で育ってきたはずなのに、標準語ができていないと散々言われました。そんな折、様々な方達との出会いの中で、ことばを捉えなおすいい時間をいただきました。能を通して故観世栄夫さん、長く共に活動した篠本賢一さん、「子午線の祀り」の舞台では、観世葉子さん、諸先輩方々から学ばせていただきました。

そして、原武彦さん。ある舞台を見て声をかけていただき、2006年に、原作/永井路子、演出・脚色/原武彦、監修/岩村久雄(文学座)、ひとり芝居「母子かづら」に出演しました。これまでの芝居の中で、一番緊張し、まっ白になってしまった舞台です。ひとり芝居の恐さを思い知りました。けれど、これをきっかけに私の中で、確実に変わった部分がありました。その恐さこそ舞台であり、今までの私は稽古してきたことを間違いなくやるという意識が強すぎたのだと思いました。

「母子かづら」の舞台を終え、原さんが「高瀬舟」を持ってきて、少し稽古いたしました。けれど、私の公演があったせいかそのままになってしまい、4月がくる度に、桜が散るとこの作品を思いだしていたのです。けれどこの4年余りは、私の生活状況が大きく変わり、思い出すこともなく、忘れていました。でも、今、これを読みたい。あれから7年の歳月が経ち、原さんとまたご一緒できることに感謝し。

「高瀬舟」は、京都の高瀬川をゆく小舟。ひとりの罪人が運ばれていきます~。
公演場所は、 浅草リトルシアター 。隅田川を背に「高瀬舟」を語り、今年はいいスタートを切りたいと思います。

チラシの送付は、もう少しお時間をいただきますが、ご予約は坂本迄。又、ZORAのアドレスにくださっても結構です桜、咲く頃、お会いしましょう!