ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2013年4月27日土曜日

愛をいただいて(サカモト)



 脚色・演出 原武彦さん     プロデュース 中田新一監督

「芝浜」「高瀬舟」、4/21に千秋楽を迎えました。お越しいただきました皆様!本当にありがとうございました。今回の公演は、これまでになく、いろいろな方にめぐり合うことができました。映画関係者の方たち、語り部の方、30年以上ぶりに会った足立高校の同級生。そしてこれまでずっと応援してくださっている方。ともだち。家族。しあわせな思いでいっぱいです。

ひとり語りは恐いものですが、自分が試され、この試練はきっと私の力となってくれることでしょう。さまざまなご意見を耳にし、糧にし、前へ向かっていこうと思います。「高瀬舟」という作品を選んだ理由は、時を経て、人の胸に突き刺さるものではないかと思いました。そして私は、喜助のような心持ちになれたらと思いました。でも現実にはなれません。まだまだ欲が渦巻いているからです。でもその欲望の渦中でも、喜助のような境地にはなれる瞬間はあると思います。そんな時は、不思議に心は落ちついているものだと思います。聞いてくださった方は、色々に思ってくださったようです。日本語の美しさ、人の美しさ、情景美の美しさ。今年の皮切りにこの作品から力をいただき、暮れまで走りつづけようと思います。



そしてそして、翌日からもうひとつの稽古場へ、



  
ギィ・フォワシィ・シアター
「動機/デモ隊 + ショートコント4作」
       
演出:山崎哲史
「高瀬舟」とはガラッと変わって、フランス人ギィ・フォワシィの戯曲。女をやります。高瀬舟は男でしたからね。女をやることはいつも気恥ずかしく、年を重ねてきてから、それが顕著になってきました。でも今回のような戯曲からは逃げられません。先輩俳優さんに囲まれ、私の位置はどこにあるのか、今は何も決めずに稽古に望んでいますが、やがてもくもくとやりたいことが明確になっていくことでしょう。

5月28日(火)      19:00
  29日(水)14:00/19:00
  30日(木)     19:00
  31日(金)14:00/19:00
6月 1日(土)14:00
   2日(日)13:00
劇場 シアターχ(両国): 前売り3800円、当日4000円、学生3000円(全席自由)

ギィ・フォワシィ・シアター「動機/デモ隊 + ショートコント4作」チケット予約ページのURLです。↓ご予約はこちらまでhttp://ticket.corich.jp/apply/42388/003/ 

2013年4月21日日曜日

花冷え、浅草(ヨシムラ)


浅草寺の甍(いらか)の波から突出するスカイツリー。このシュールは悪い感じがしない。江戸時代から浅草は奇天烈が似合う街ではなかったか。今は、雷門の赤く鮮やかな大提灯のもと、様々な人種が群がっている。仲見世の賑わい。うらぶれていた浅草は、復活の様相である。

桜も過ぎてからのひんやりとした金曜日、坂本の「高瀬舟」を観に浅草リトルシアターへ。朗読とはいえ本は持たず語りきった。森鴎外の静謐で美しい文章と古き良き日本語を味わう。高瀬舟は罪人を送る舟である。弟殺しという題材を扱っているが、暗い印象はない。ふけてゆく夜の情景と人物が浮かび、幸福と死のイメージが漂い、考えさせられつつ聞き終えた。2006年にやはり原武彦さんの演出で坂本が一人芝居「母子かづら」を演じたが、今回も、ふたりはずっと語りにこだわりこつこつとお稽古をしてきたのだなと察した。本日が千秋楽。お疲れさまでした。

一緒に観に行った海老原さんと浅草散策し、レトロ喫茶店でお茶して帰りました。海老原洋之さんには、秋のZORA公演に出演していただくことになりました。
「海老原さんとは!?」
「次回作品は!?」
徐々に明らかに。決まり次第お知らせします!

  
さらに冷たい雨の土曜日。7月かもねぎショット公演のためのワークショップに参加。出演者やワークショップ参加者とともに賑やかに。前回ご一緒した村松恭子さんや、大好きな渡辺信子さん、そしてもちろんZORAふたりも加わり、こちらは大所帯の公演になりそうです。こちらもどうぞお楽しみに。


2013年4月15日月曜日

私の「高瀬舟」、是非!!(サカモト)


申し訳ありません!
20日15:00と、21日15:00の回が完売いたしました。これ以外の日にお越しいただけますと大変うれしいです。日程がどうしても合わない方は私にご一報を。よろしくお願いいたします。
419日(金)1500/1900
  20日(土)1500/1900
  21日(日)1500

料金 2500
開場30分前

浅草リトルシアター
ご予約は、zora_agota@yahoo.co.jp 

いつもいつも台詞を覚えるのは至難の技です。自分の脳との戦い。けれど演劇は脳だけの問題ではないから、覚えてもからだに裏切られます。この順番がおかしいのかもしれません。脳でなくからだ。けれど現代はそんなこと言ってられません。いつもその狭間で、役をどうするのか、もやもやしながら毎日を過ごします。けれど、もやが一気に晴れ、役がストンとからだにおちてくることがあり、そうなると途端に元気がでてきます。役が妄想の中で、夢想の中で、生きはじめるのです。

演出の原さんに甘えながら、「高瀬舟」は本番4日前もどうなるのか現在進行中です。浅草はスカイツリーの影響もあってか、また活気が静かに潜伏してきたようにも思われました。そして小屋に行きますと、あたたかい雰囲気に心が安らぎました。浅草公会堂を目指して伝法院通りを六区通りに向かい、上を見て歩いてくだされば、浅草リトルシアターの看板が見えます。階段を上ってきてください。浅草で天ぷらを食べてもいいし、また雷門でお参りも。私も雷門でお参りをしてから初日を迎えようと思っています。どうぞ、いらしていただけますと大変、ほんとにうれしいです。お待ちしています!

2013年4月7日日曜日

森鴎外(サカモト)


                                          森鴎外(1862~1922)
終えた冬に豚汁を食べていなかったことを思い出し、もう春だというのに豚汁で温まらなかった腹が寂しがるような気がして、急遽台所に向かう。牛蒡の匂いに惹きつけられる。やらねばならぬことを優先すると何かが置き座リになる。外食でがっかりするのなら家で作ろうとも思うが、作っている時間がない。時短料理を開発せねば。

今回の「高瀬舟」に来てくださる方の反応がこれまでとは違う広がりがあるのは、やはり今回の作品に、また朗読に期待があるからだと思う。FAX、携帯電話、ツイッター、時短はどんどん進んできたが、朗読はひとりで語るだけというとてもシンプルなものである。昔も今も変わらない。そして私が問われる。こんなサスペンスもたまにはいい。

それにしても森鴎外の多面性。陸軍軍医、ジャーナリスト、ドイツ美学の訳述、政治への発言。生涯衰えることのなかった思い。鴎外の文学への渇望は、終生その身を俗界に置いていた彼の自己救済の願いに深く関わっていたとされる。私が興味も持つのもこの点なのです。森鴎外の名声は、文学上の業績によってはいるが、この多面性は日本の近代文学者中まったく類例をみないと評されています。

「高瀬舟」の蒼白い喜助の美しさ、夜舟での静謐な時間に惹かれて読みはじめましたが、どんなに過酷な状況下においてもやはり再生、希望ということが脳裏をかすめます。皆さんが観に来てくださるのを励みに頑張ります。

高瀬舟の紹介:映画「高瀬舟」 主演:前田吟
      日本文学文庫「高瀬舟」主演:成宮貴康



高瀬舟 日本文学の素晴らしさを今一度堪能していただきたく、京都の桜散る春の一夜を浅草で語り継ぎたいと思います。

ご予約はお早めに。小さいところなので!
浅草リトルシアター
ご予約は、zora_agota@yahoo.co.jp