ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2015年9月27日日曜日

天使にはなれない(サカモト)


お彼岸に実家に帰ると、母が報告がふたつあると唐揚げを揚げながら言う。鳥をひとつひとつやさしく反しながら話しだす・・・。あずきの香りがジャーから噴出してくる。私はお赤飯が大好きなので帰るよと言うといつも炊いていてくれる。 三杯は食べてしまう、沢山の野菜も食べるからいつももう、食べ過ぎてしまう。

報告のひとつは大切な人が認知症になった。もうひとつは大変お世話になった親戚の死を知らなかった。
今回私の父のお墓参りだけでなく、その人に塔婆を捧げたいということで、父の墓参りに帰った私ではあったが、急遽翌日に2つのお墓詣りに行くことになったのだ。

目が覚め、父に線香を捧げる。

よく晴れて清々しい秋の入口。最初にお世話になった方のお墓に行った。私自身も子供のころ可愛がっててくれた方である。お墓は有名どころで一度行ったことがあるはずなのに、すっかり忘れており、門構え、入口は本当に立派であるのに、お墓の並びが狭く、なんとなく息ができない。まだこちらが祈っているのに、平気で通れないからとすいませ~んという人もいる。

近くのお墓には彼岸花が土から自然に咲いている。みな花を買ってきて捧げるが、枯れた花は多分一掃され寺側で廃棄するのだろう。土に種をまき、この季節になるとその地で咲く花の方が見守れら感がある気もする。

そして父の墓、駒込。お墓とは面白いもので、微妙にそして直感的に墓前に立ったときに感じるあたたかさがある。ここのお寺は素朴でいい。

そして先日~

忙しくて参加できないと思っていたが、かもねぎショットの仲間から中野でカラオケ大会やります!というメールが届き、最後の1時間だけ参加できもらい泣きを歌う。実は前日から辛くてその日の午前中にもう人前で泣いてしまった。涙ってでるんだ。もうだめだと思ったその日、なぜか歌いたかった。「飾りじゃないのよ涙は」も軽くてヒットした理由がわかる。みんなの選曲する歌を聴きながら癒されていく。ことばの力、旋律、音楽はいい。カラオケを終えて台湾料理屋で話に花が咲く。人に感謝し、また明日から前向きになります!というのが今までの私だったが今の闇は深すぎる。グローバルなエリート的な日本社会はほんの一握りなのかもしれなかったのだと思う。若いときはそんな世界しか知らなかった。でもそれ以外、そしてそこに雇用が生まれる。とりあえず帰って寝ようそして明日も家をでる。でも天使にはなれない。


2015年9月20日日曜日

黒蜥蜴(ヨシムラ)

台風、地震、数々の不可解な事件、法案の強行採決、激動の様相から一変、なにごともなかったかのように空は晴れ、シルバーウィークという新型の連休があらわれた。しかし逆らわずもの言わぬ国民性が少しずつ変わっていると感じるし「何かがおかしい」と本能的に危機を感じとって行動を起こす人が増えている。いかに生き行動するかが問われる。


1968年、深作欣二監督による映画『黒蜥蜴』(主演・丸山明宏 木村功)
素敵です。


美輪明宏が演じ続けて来た『黒蜥蜴』
今回の公演で最後となると聞いて観に行った。江戸川乱歩の原作、三島由紀夫の流麗な台詞を操る、80歳を迎えた美輪明宏の圧倒的な光。前から2列目の席からの観劇は容貌や声の衰えが容赦なく伝わるし豪華なセットも昭和的だが、4時間の舞台、黒蜥蜴を演じきった後、カーテンコールの穏やかな微笑みに圧倒される。泣けてくる。三島や寺山修司と同じ時代を生き、ずっと生き残って続けてきた人の凄みと、包容力。やはり魅力的。




さてZORAでは、
今後の作品作りのため、ある本を読んでいますが、これがなかなか久々にZORAらしく、おもしろいのではないかと思っています。われわれが1999年に訪れたオーストリアでの経験ともリンクしており、人間の愚かさと愛おしさが描かれており、いつか形にしたいと意気込んでおります。

2015年9月13日日曜日

カリガリ博士(サカモト)


                
灰色の雲の真っ只中、以前共演した十貫寺梅軒さんそしてSCOT時代の先輩笛田宇一郎さんが出演する分身残酷劇「カリガリ博士」を観に行く。うつ気分を吹き飛ばしてくれる芝居が観たい!先輩方二人はやはりお元気で 熱い時代を血しぶきあげて生き残ったその魂は干からびていない、いいなあ。
ところで「カリガリ博士」全然知らなかった。有名で面白そうなので今度映画も見てみたい。



そして久しぶりに晴れた金曜日、とっても清々しい風を浴びながら午後の下北沢の街を行く。そして久しぶりにZORAの稽古。稽古とはいえないけれど本読み。いいなあと思うものを持ち寄り声を出す。私は久しぶりにああやりたいと思う戯曲と出会い吉村さんに聞いてもらう。うつな気分から少しづつ解放されつつある。そして稽古後、かもねぎショットで何度も共演している渡辺信子さんとおち合い飲み会。友達っていいなあ。


先週は少し光が見えてきた。できないと嘆くのではなく、時間がないからできないのではなく、しつこく模索していれば  求めるものにぶち当たる。うつ気分は年内に脱するぞ!


~そして皆さまへ、たくさんご案内いただきながら、なかなか観に行けなくてごめんなさい~

2015年9月6日日曜日

野戦の月(ヨシムラ)

『風の旅団』というテント芝居を初めて観たときのことをよく覚えている。大学の構内に張られたテントはいかがわしく、怖いもの見たさで足を踏み入れた。叫び、暴力、異形の者。芝居は圧倒的で、連れ去られてしまうような恐怖と好奇でいつまでも動悸が止まらなかった。今思えば、新劇からアンダーグラウンドへの矢印看板だったのかもしれない。


などと思いながら、中央線で西へ。
『風の旅団』は、『野戦の月』と名前を変えていた。立川の空地で30年ぶりの再会を果たした。20代から60代の多国籍の役者たちが織り成す世界は、賑やかで懐かしいだけでなく、基地の問題、飢餓と飽食の矛盾、行政への批判などが雑多に盛り込まれており、カラスのような佇まいの桜井大造さんは相変わらず魅力的だった。

桜井さんは今は沖縄に住んでおり、ガマ(戦争の時に住民や日本兵の避難場所として使われていたところ)のなかで死者の声を聴きながら創作をすると伺った。屋台崩し、火と水の演出、生演奏、とテントの醍醐味も盛りだくさん。劇中に出てきた手作り肉まんを終演後に振る舞っていただき、これもとても美味しかった!


遡って、先週は、『人民の敵』へ。
劇団の頃の先輩おふたりの共演ということもあり、この日はその頃の懐かしい仲間たちが大勢集まった。けっこう歳月が流れているわけで。しかし思うのは「人って変わらない」ということ。

遠方から駆けつけた旧友とうれしい再会!よく見るとお互い変わってるわ。


さらに先週は、『画鬼暁斎』展へ。
幕末から明治を生きた絵師、河鍋暁斎と英国人の弟子コンドルとの交流も描いた、楽しい展覧会でした。会場の三井一号館(コンドルが設計)の赤レンガの建物も美しく。秋ね。