ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2013年10月5日土曜日

{誤解バラック}写真館(サカモト)

公演を終えて1週間とういうものは、時が過ぎ去るのが本当に早い。
先週の今頃は千秋楽。来てくださった皆様に、感謝いたします!
30年以上も前に読んだカミュ。時が過ぎ去り、今自分の胸に鳴り響いているものは何なのか?この一週間の中で、もう一度「異邦人」を読んでみました。「誤解」の題材は、「異邦人」の主人公ムルソーが、牢獄にいた時に藁布団とべッドの板との間に見つけた一枚の古新聞。チェコスロバキアに起こったらしいある新聞の記事でした。
カミュ自身は、貧困の中で育ちました。でもカミュは語っています。「私の少年期を支配していた美しい太陽は、私からいっさいの怨恨を奪いとった。私は窮乏生活を送っていたが、また同時に一種の享楽生活を送っていたのである。アフリカでは、海と太陽とはただである。さまたげになるのは、むしろ偏見とか愚行にあった」と。
カミュは、「・・・私が自由を学んだのはマルクスではなかった。私は自由を、たしかに貧困のなかで学んだ。」地中海のきらめく風土が彼の救いとなった。きっとどこかで、思春期に自分も芝居をしたいなどと表明したときに、誰からの賛辞もなく、まして大反対を受け、その行く場のない思いのなかで、小説を読んでは作品の中で自由に展開されていくそのきらめきに、芝居を志した自分を投影していたのかもしれません。
 
この本を完成させるために、「誤解」の原作を元に最初は三人で書いてもきました。
その中でも海老原さんは、独特な美的感覚で言葉をふりしぼってくれました。
登場人物4人。 後左(男、海老原洋之)、右(マリヤ、菅佐原真理)、
           前左(マルタ、坂本容志枝)、右(母親、吉村恵美子)
 
そして演出の山上優さん。優さんとの関わりの中で、実は母に対する封印している自分の気持ちに気づかされました。母との関係性は人それぞれですが、大人になってもある渇望は、封印していても魂の中に生きつづけているのですね。

舞台監督の青柿さん、照明高良さん、美術加藤ちかさん、栗原君、山本さん、その他の方の力もいただき、公演を終えることができました。反省すべき点もありますが、無事に終えることができましたことに、皆さんにありがとう!

またお会いしましょう!!

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