夏の連鎖
夏休み。
ひとり身になり、エアコンの温度のことで諍うこともなく、おだやかに暮らしている。なにをやってもいいような境遇だが、なにをやりたいのか見失いがちになり、また新たなしがらみにおちいりそうになる。
急に高いところに行ってみたくなって、東京タワーへ。
モーレツ昭和の象徴の塔。子供の頃と若い娘の頃来たことはあるけど、久々に遠足気分で。展望台から見下ろす、薄暮れの中のビル郡。渋滞の首都高。東京湾。緑深い公園。東京が好き。と改めて思う。この街で人が生まれて死ぬ。出会ったり裏切ったり許したり愛したりする。働いて成功したり落ちぶれたりする。この街のどこかで幼児が虐待され高齢者が行方不明になる。この瞬間にも。この窓が開いたらきっと飛べる。今なら。するするとエレベーターで地上に降りればまた小さな存在に戻ってしまうけど、何かがリセットされて、やるべきことをやるために歩いて行こうと胸張って歩き出す。
しがらみ結構。今年は3本の公演が控えている。これから出会う人、初めての経験、共同作業、新しい自分。LIFE IS A MIRACLE
夏休み。
家族行事の江戸川の花火大会に出かける。昭和の家族はなくなったので、姉の家族に入れてもらう。土手の上、ひらけた視界に突然あらわれた空の色にしばし心奪われる。やがて闇になり打ち上がる花火は、今年もまた美しく潔い。