海にかかる霧
公演を終えて瞬く間の1週間、公演が夢のようだ。皆で舞台裏をものすごいスピードで走り抜けていたのはいつのこと?翌日から大切な面談があり、疲れもつかのま質の違う場に出かけていく。帰宅したとたんどんよりした体に自問自答するまもなく横になる。もう当分休みがない。
でもなんだか見ていなかったこの映画を見たくて重い足取りでGEOへ。
この作品は、この秋演出してくださる鈴木アツト君(現在ロンドン滞在)が、以前シアタートラムでのリーディングで演出しとても評判がよかった「海霧」。見れなかったのでアツト君に言うと台本を見せてくれました。これをあの「殺人の追憶」の映画監督のポン・ジュノのプロデュースにより映画化されることを知ったとき、もう期待でいっぱいでした。
リーディングでの≪海霧≫の台本のプロローグから~
「海で出会う濃い霧を海霧という。海で風よりも怖いものはまさに霧だ。波にも道があり風にも道はあるが、霧には道がないからだ。濃い海霧は漁師たちに砕けそうな心はもちろん、海と空の境界をも壊す。残るのは果てしのない無気力と、終わりの見えない停滞と孤立。どこから近づいて来るか分からぬ、危険に対する恐怖だけである。闇ではなく、光の中で道を失うこと。それが、海霧が与える恐怖だ。闇の中なら明かりを点ければ良いが、光の中で出来ることは何もない」
そして見ました。感想は自分の中へ。
いい芝居に出たいと思う!アンテナを張りつつまた人との出会いを大切に。
今回、公演に来てくださった方、本当にありがとうございました!時を経てもこうして会えて、一緒に活動を共にしていた時間とやさしさが蘇ってきます。吉村さんはもう帰ってきてはくれないけれど、この公演を通して私のうつうつさは少しづつ晴れていきました。まさに霧状態の中から抜け出た感があります。ひとに出会い人に救われる。
来てくださった方々に、ちゃんとお礼も言えずすみません。またご連絡させていただきます。
坂本