そしてセルリンタワーは都心にそびえ立つ40階の高層ビル。以前訪れ夜景を見た記憶がありましたが今日で2回目。2001年に立ち、とても綺麗なモダンなビル。そこで働いているサラリーマン、ホテルの宿泊者、いる方は様々。その地下に能楽堂があります。入ると柔らかくあたたかな光に包まれ気持ちが落ちつきます。
今回は狂言だけを3本。最後に上演された「極楽」が面白かったです。
〈夫に先立たれた妻は、死後、極楽に赴くと、めでたく夫と再会し、幸せな日々を。
やがて平穏な、満ち足りた暮らしの中で・・・〉
菊池寛の短編を狂言化したもので、能舞台での上演は、今回が初。
現代的な要素を取り入れ、演者のご夫婦の方も落ち着いていて魅力的でした。狂言って、若いときよりなんだかいいなと思いました。小難しくなく、笑いを前提としていて・・・。能の重厚さ、壮大さ、幽玄な部分に惹かれていたのに、狂言はなんだかおかしい。能と狂言を合わせて「能楽」というとパンフレットに書かれており、なるほどと改めて思いました。昔、「安達が原」の狂言部分のアイをやりたいと観世榮夫さんに言うと、最初は「安達が原」のアイは男じゃないとと言われましたが承諾してくださり、野村万蔵さんに直に稽古していただき、今思うと贅沢な時間をいただいていたんだなあと思います。
※アイ:狂言方が,能の中の登場人物の一員として出る役。間狂言とも。前場・後場のつなぎに出るもの(語間(かたりあい))と,戯曲的進行に直接関係するもの(会釈間(あしらいあい)),独立した寸劇が挿入されるもの(替間(かえあい))とがある。
雷、雹。
少しづつ本当の春に。