3月8日三軒茶屋シアタートラムで「岸リトラル」を観劇。休憩含めて3時間半。
観に行ってよかったです。舞台が総合芸術だと改めて感じました。美術、照明。
レバノンの作家。内戦の話は重いけれど一人一人が自分の物語を語っていく。主役の彼が父を埋葬する場所を探していく道中で、出会った傷を負った者たちが旅を共に。
紛争地域、韓国の分断、ある意味それはドラマとなり戯曲ともなる。私もそんな作品に出演を求めていた。でも日本に問題はないのだろうか。3月11日から7年経った。この7年。私は震災にはあってはないけれど、内面的には辛いこともあり生活もめまぐるく変わっていった。今日この日を迎えてこの7年を思うと、もっと時が経った気がしていた。でも今が幸せならそんなことも忘れてしまう。言葉に出せない誰にも言えない思いは私にもある。震災にあった方の気持ちなどわかるとも思えない。個人の痛みの質は量れない。量れないけれど人の痛みに寄り添い、少しは掬い取ることはできるかもしれないと思う。時間と共に。
私の好きなシーンは、後半に訪れた彼女が主役の彼に亡霊の父の前で抱き合いたいという。彼はここではできない、父の前では無理だと言う、でも彼女は自分達が生きている証だと言う。彼は拒んではいたが受け入れる。生きていなければセックスもできない。人と交わり相手をしっかり求めることの切実さが、この過酷な状況でとても清々しかった。
叫びがあるから私も表現していく。私が出演した映画「息衝く」は嘘がなくいいなと思えます。只今上演まっただ中です。新聞にも掲載されてます。よろしかったらこの機会を逃さず、是非、東中野ポレポレへ足を運んでいただけたらと思います。