ト短調の雨
鬱陶しい季節、テレビの中の快晴を仰ぐ。
スポーツはやるのも観るのも、とんと無縁だったのだが、今回のサッカーワールドカップは、カメルーン戦もオランダ戦も見始めたら目が離せなかった。やるじゃないか、日本。少し前の(我々と同世代の)サッカー選手は、派手なパフォーマンスが目立ったが、今回、しっかりと地に足のついたプレーやチームの結束力、しなやかな強靭さが頼もしく思えた。この世代が、長く続く低迷を蹴り飛ばしてくれるかもしれない。
鬱陶しい季節、窓のない社員食堂で。
40になったとき、この後の人生、なんだかもう先が見えてしまった気がした。が、全然見えてなかった。この数年は、身近な人が次々と去り、ずっと続くと思われた生活にも変化があった。積み重ねてきたものが崩れ去るときは不安を感じるが、なにもかもなくなったとしても、いつでもどこからでもまた始められる。昔のこと、思い出すことは、時を経てもより鮮烈によみがえるし、あとのことはほとんど忘れてしまった。
晴耕雨読。というような生活に憧れる。しかし予期せぬ出来事と経済の困窮と些少な悩みに翻弄される。歳をとっても尽きぬどころか増える問題。しかし、だからこそおもしろいのだ!侘びしく、どうしようもない状況の中でも「プラム酒もう一杯、いや二杯」と何時間でも会話を楽しめる「ジョンとジョー」のように。
曇り空 父を偲んで 黒エビス
父の日に詠める