ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2015年8月30日日曜日

チェ・ミンシク(サカモト)


昼は食事もままならず集中し夜中になると心細さの鐘が鳴る。少し前までは朝まで目が覚めることなんてなかった。毎日毎日新しいことだらけで脳が追いついていかない。まだまだ人の波のなかで生きぬかねば生きてゆけぬ人生である。家に帰るとDVDを見る気にもなれずニュースを見ながらの夜食。最近の殺人を耳にするたびやるせなくなる。もう孤独でいいじゃないか。なぜ人の生まで奪おうとする?自分のことに誰も見向きをしなくなっても生きる道はあるさ。


夜の虫のさざめきと緑の中を歩くと心が落ちつく。ここに越してきてよかった。きっと元来は静かな性格であったのかもしれないと最近つくづく感じる。部屋の修理、老眼鏡をふたつ購入、稽古で使用したゆかたを洗い畳み夏の公演の整理をやっと終えた。秋風が吹く。そうだ久しぶりに韓国映画を見ようと新宿TUTAYAへ。悪いやつらを借りる。理由はチェ・ミンシクが出てるから。イ・ビョンホンも大好きな役者であるがハリウッドに進出し世界の役者となってしまった。韓国での作品が切なく情緒がありよかったので、私は売れてもそのころの作品の方に愛着がある。

チェ・ミンシクは「オールドボーイ」が有名。韓国でも有名な俳優。以前この方のトークを読みもっと興味を持った。いつも破天荒な役を演じながら、そのトークの内容のギャップに感動してしまった。そして韓国映画はやはり笑える。このラテン要素は何なのだろう?表現があからさまでどぎついからひくという人達も多いが、なんだか私は笑ってしまうのである。人間の質の違いと言ったらそれまでだけど。若いころはヨーロッパばかりに興味が赴き、同じアジア人なのにこんなに地理的には近いのに興味さえなかったが人間って本当に面白いなあと思う。韓国の役者のその志はなぜか私の琴線に響いてくるものがあるのである。

ところで私。年内はせっかくいただいた今年後半の舞台のお話をお断りし冬眠に入ります。年内は冬眠に入ると決めた途端、舞台に対する思い、映画に出演したい気持ちが抑えきれなくなります。でもそんな大げさなことではなくきっとまた復活します。あまり稽古に時間が取れないのなら朗読を通じてひとりで深めていただき時期をみてやりましょうよと言ってくださる方もでてきました。でも朗読もことばの究極ですから大変です。いい役者を見て、いい映画を見て、募る思いをじわじわと、これからの冷えていく季節の中で、ゆっくり温めていきたいと思います。


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