ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2014年3月30日日曜日

無残なメディアの詩(サカモト)

春の嵐のように、どこ吹く風~今年はもっと進化しますよ! そして4月、年度の初め、
新しい分野へ突入していきます。日々起きることが新鮮。先週観てきた舞台です。
無残なメディアの詩
神話は物語という湖の源泉である。神話を読み古典と再び出会うことは、その湖の水を汲み、また受け継いでゆく行為である。私たちはそうして物語と出合ってきた。その湖には、今も多くの語り手、芸術家が集まってくる。が、少しずつ荒んできてしまっているのかもしれない~

本作品は、ある「女」が惨めに生きる存在としてそこにある幻想的な物語。いかなる状況においても、決して諦めず、幻を求めて彷徨う「女」を描きたい思う。(チラシより抜粋)

女性を描きだす演出家に出会えた喜びがある。舞台には水も張られ、美しい。演出家は若い男性であった。韓国の作品に感動するのは、ストレートさ。伝えたいことがしっかり伝わってくる。トークショーもあり、演出家は司会者の顔も評論家の顔も一度も見ず、お客さんが今この公演を観てどう思っているのか、めっちゃ知りたくてしょうがないと語った。私はこの擦れていない演出家に大変好感を持った。


「エッシャーの家」かもねぎショット:ずっとお世話になっている劇団に、自分が出演してない舞台を久しぶりに観る。本、知っているメンバー。へエーこう見えるのか・・いい役者はいい演出家だともいうが、私しゃほど遠い。でも今度自分が出演させていただける時には、役柄は本当に距離のあるとてもこりゃ自分の力量では届かないそんな役をやりたいなと思った。早稲田小劇場(後にSCOT)、劇団第三エロチカ、WAHAHA本舗、EDメタリックシアター、そして今も存続する劇団に在籍している方々、その時代、さまざまに頑張ってきたメンバーが、今も演劇魂を持ち続け舞台を踏む。そんなメンバーは大切で、感謝したい。


身体の景色
韓国でお世話になり、現在は日本で劇団を立ちあげているぺ・ミヒゃンさんから、遊びにおいでと声がかかり、稽古風景を見にいった。5月にD倉庫、6月にソウルゲリラ劇場での公演。題材は「マクベス」。俳優、岡野さんが語るマクベス婦人の台詞に思いが込みあげてくる。遠い昔、海外の公演で自分もこの台詞を語っていた。マクベス婦人の言葉は、人が野心に向かって挑んでいくぎりぎりの内面を語っている。構造の面白さもあるので、是非いい舞台になる事を!

~外から人のことを言うのは簡単で、現役はいつだって辛い。身体を鍛えなおし、筋肉疲労が快感になるように、いい舞台を踏むことを願って私も演じ続けたい、そんな年度の締めくくりでした~

2014年3月23日日曜日

バベットの晩餐会(ヨシムラ)

午前6時の出勤時もだいぶ明るくなり、冷え込みも少し和らいできました。ご近所の桜はまだ蕾ですが、毎朝会うネコやハトもどことなく浮かれているような、春待ちの風景です。



これからやる芝居のヒントになればと、映画や絵画を廻っている中、「バベットの晩餐会」を観た。美しいデンマークの老姉妹に、フランスから亡命してきたバベットが振る舞う、一夜限りの贅沢な宴。その料理が、姉妹の若き日の情熱や恋を蘇らせ、寒村の人々の心にも明りが灯る。バベットの芸術と、受け取る(食べる)客の奇跡的な出会い。受け取る者がいなければ、芸術は成立しないという、あたりまえのことに気づかされた。




映画や絵画であれば、時を経て届く場合もあるが、演劇と料理はその場で味わわなければ消えてしまう、刹那的な芸術であるという点で似ているのかもしれない。



またこの映画の美酒美食の極みを見るにつけ思い出されるのは、1999年オーストリアのグラーツを訪れたときのことだ。市場に並ぶ獲れたての野菜、パンとチーズ。発酵途中の若いワイン「シュトルム」や食前に飲む度の強いハーブ酒。昼は芝居を作り、夜は観劇、心ゆくまでワインを飲みながら語り合えた日々。最も豊かで幸せな時間を過ごした街。ヨーロッパの村の風景から様々な感傷が押し寄せてきた。





2014年3月16日日曜日

満開になるには・・・(サカモト)




老いて、認知症になったとしても、からだが動かなくなっても、心打たれる。その人の美しさが、もうなんの見境なく表出してくる。そんな女性に出会うと、女もひとりでもどうなっても悪くないと思える。

この人生、たまたま誰かと出会いそれが続いていく。そんなこと思ってもいなかった。好きな男性が全てと思うときもあったが、別れは辛く心が軋む。けれど女性との関係は和らいでいて緩やか。温泉のようにじわっと温めてくれる。

久しぶりに二人で飲んだ。新宿で芝居を観て、行きつけの焼き鳥屋。中国人のバイトの子が最初写真を撮ってくれた。つっけんどんの対応からこんな頼みもどうかと思ったが、撮るとなったら一生懸命になってくれる。しかし写真はいまいち。結局二人で撮った。自画自賛。ZORAは二人でやってきました。二人でやるには限界もあったけれど、これまで関わっていただいた方には、本当に感謝しています。

役者は自分が強すぎると客観的になれなくて、最終的には損をする気がします。勝気はよくない。存在が空気の中で、自然に生きてくるようになればいい。私もそうなりたい。こんなことを言えるようになったのも人生半ばを過ぎたから。そういう意味では、映画俳優の自然さというものに惹かれます。今年は芝居を沢山観て、いい映画を見て、人の話もたくさん傾聴したいです。

春はもう芽を吹いています。今年の花見はどこにしましょうか・・・。

2014年3月9日日曜日

Start Me Up(ヨシムラ)

春の雪

予定のない休日、窓の外を見ると、雪。
突然の来訪者のように意外で、嬉しいような迷惑なような。
でも3月の雪は、儚くすぐ消えた。
このごろは春を待つ種のように、地中でひっそりと過ごしているのですが、そんな私を誘ってくださる方あり…

行ってきました!
ローリングストーンズ!!東京ドーム!


ストーンズ初来日の1990年。熱狂的なファンというわけではなかったが、友人(高校時代、RCサクセションを追いかけて一緒に学園祭のハシゴをしていた)と一緒に、東京ドームのコンサートへ行った。一曲目の「スタートミーアップ」のイントロが始まった途端、ぐわっとココロをつかまれた。あまりにもカッコよく、まばゆく。今回24年ぶりのストーンズ。わたしも歳をとったが、メンバーは70歳を越えている。

しかし!衰えはまったく感じず、パワーと色気はそのままに、味が深まり、さらに魅力的になっていたのには、驚き、感動した。ミックジャガーは走り、叫び、スキップをしながら楽しそうに歌い続けた。ロックは一瞬で別世界へ連れて行ってくれる。5万人を一瞬で熱狂させられる彼らは、まさに最強、まさにスーパースター☆

結成は1962年。52年の活動を経てこの笑顔。継続することの素晴らしさ改めて感じ、いろいろある人生を、仲間とともに、楽しく渡って行こうと決めた夜でした。


2014年3月2日日曜日

豊山犬「プンサンケ」(サカモト)  


こんな形の愛があるのかと・・。最近韓国映画も見ていなかったので、何気なくビデオ屋で手にした「豊山犬(プンサンケ)」。そして見終わって気づいた脚本は、キム・キドク。日本ではこんな事もないだろうという展開が、分断された朝鮮民族ではありえる。ぬるま湯から一気に突き落とされました。両手を縛られている男女の接吻に心打たれます。薄暗く、深閑とした空、土地。こんな映画の突入の仕方が私は好きなのかもしれません。一度魂を丹田に下降させ、物語がはじまる静謐な時。木村文洋監督「へばの」もそうでした。


昨日の懇親会の疲れを引きずり、朝から「福島 六ヶ所村 未来への土地」を観に渋谷へ。加藤登紀子さんの歌が流れはじめると涙が。見終わると監督が見え、ご挨拶されました。3・11の震災が起きた頃、私は韓国公演で舞いあがっていました。ソウルのホテルで写しだされたNHKの日本の画像を見て、愕然としました。そして韓国で上演した「女中たち」を日本に持ち帰り、新宿で上演。その舞台を見てくださった木村文洋監督から、映画「息衝く」のお話をいただきました。私は青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設に反対し、息子を連れ東京に出てくる母親を演じます。六ヶ所村に行ったことのない私は、この映画を見てまた考えさせられました。
「福島 六ヶ所村 未来の土地へ」

夜には吉村さんと、下北沢へダンス観劇。

人は組織に属するかぎり、上の者の意見を尊重し聞き入れなくてはならない。でもより考え方の近づける人と共有できれば、こんなに幸せなことはない。そういう意味では、ZORAは二人の好き放題。これからは焦らず、進んでいければと思っています。そして未来はきっといい!

韓国の戯曲に携わり、今回このような批評もいただきました。賛否両論の中で続けてきた公演が、このように発表されたことに感謝いたします。 ワンダーランド