ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2013年9月29日日曜日

秋空のもと、次へ!(ヨシムラ)

ZORA第10回公演 『誤解バラック』
無事終了いたしました。

劇場に足を運んで下さった方、支えて下さった方々、ありがとうございました。


2001年に結成し、ゆっくりと、細々と、そして着々と公演を重ね、今回記念すべき第10回目を迎えることができました。これまで支えて下さった多くの方々の顔を思い浮かべ、感謝の気持ちでいっぱいになっております。今回観てくださった方からも、励ましの言葉や厳しいご意見を頂きました。懐かしい方も駆けつけてくださいました。ありがとうございました。

20年ぶりの共演となった海老原洋之さんの変わらぬ魅力、初共演、菅佐原真理さんの心揺さぶるダンスも本当に素晴らしかった。われわれも、カミュの戯曲に挑み、山上優さんの演出に出会い、スタッフも一丸となり、手応えの感じられる作品になったと思っております。よいメンバーと作れたことに、感謝。

出番の前、狭い楽屋で手を握り4人力を合わせて飛び出していった愛しい舞台。加藤ちかさんの美術です。(舞台写真はまた追って)



今回演出を快く引き受けてくださった、山上優さんが、当日パンフレットに寄せてくださった文章です。

それは2001年のことだったらしい、ずい分前になる。道玄坂を上り詰めたあたりの地下のフリースペースだった。ガンベッタという名だったのを覚えている。ZORAの旗揚げ公演を観たのは。ともに小劇場の時代を走ってきた友人女優ふたりが、手を取り合って新しい船出をしたのだなと思った。なんだか羨ましかった。「そこに坂本がいたから一緒にやるの、自然にそうなった」と吉村さんが清々しい表情で私に言った。まるで結婚を決めた男のセリフのようだった。自分の道を見失いかけて、もう芝居を止めようかという気持ちになっていた私に、続けてもいいかも知れないと思わせてくれた演出家に出会えたのはその同じ年だった。間もなく私はその師を追ってフランスへ渡った。アパートはパリの東Gambettaガンベッタ近くに住んだ。道玄坂以来、ZORAも私もいろんな坂を降りたり登ったりして、今日まで来た。そしてこの度、記念すべき第10回公演『誤解バラック』を一緒に作ることになった。「そこに優ちゃんがいたから」と思ってくれたのだろうか。誤解に終わらないことを願う。

☆☆☆☆

打ち上げを終えて帰り翌日から働く女たち、厳しい現実。でも風は心地よく、ああ、いつの間にか来ていた、秋。ZORAの今後はまだ未定。良い作品を探すことからまた始めていきます。そして、今年はまだまだやります!それぞれ11月に公演があります!詳細は当ページにて!!

2013年9月23日月曜日

いよいよ26日初日!!「誤解バラック」(サカモト)



2013年9月26日-28日 新宿サニーサイドシアター

カミュの「異邦人」は、多感な少女時代一番好きな小説でした。太陽の匂い、海の香り、硬派な哲学、カミュの言葉は、非の打ち所もなく完成されていて、その論理は滑らかです。でもこの言葉を話すことに私は四苦八苦。でも好きな本をやれるのがZORA。いいメンバーと出会い、最後まで諦めずぶつかっていきます!


護国寺スタジオの稽古場で・・・

2013年9月16日月曜日

『誤解バラック』台風一過の夜空に。(ヨシムラ)

9月26日(木)初日です!
 
 
演出/ 山上 優  構成/ ZORA
美術/ 加藤ちか 照明/ 高良康成 音響/栗原孝順 舞台監督/青柿ひろし
出演/  坂本容志枝  吉村恵美子  海老原洋之  菅佐原真理 
 
 豪雨と突風のなか大きな荷物を抱え傘をさし、わたしはどこへ向かっているのだろう。職場から稽古場へ、その繰り返しの中で世界が凝縮してゆく。和室の稽古場の懐かしい畳の匂いと感触に吸い込まれ、すぐにでも熟睡できそうだ。限界。と思っても本当はまだまだやれる。やること、やれることは、いくらでもある。人間って結構たくましいものだし、とにかくあと10日と思えば、惜しみなく馬鹿力を発揮するしかないのだ。
 
地道に、かつ大胆に、そしてまじめにやってきた結果、いろいろな方が参加してくださり、支えてくださり、10本目となりました。最初からずっと関わってくださった照明の高良さん、時を経て、しかも絶妙のタイミングでまためぐりあえた演出の山上優さん、そして今回舞台監督をお願いした、青柿さんは、高校の同級生! なんだか不思議な縁を感じています。あたたかく才能あふれるスタッフに囲まれ、役者陣も奮闘中です!

稽古風景。絵になる二人。
 
海老原さんとマリヤ役の菅佐原さん。
 


 稽古を終えて。荷物抱えての車中。
優ちゃんが撮影。パリのメトロに見えてくる(?)
 

2013年9月9日月曜日

虹がかかる?「誤解バラック」(サカモト)


少ない仮眠時間の浅い眠りの中、
ソファーでうとうとしていると、鋭い光が瞼を閉じているのに目に飛び込んできました。夜中にどーんという地響き。怖かったです。雷が二度落ちました。独り者の私は、どこで死んでも駆けつけてくれる者もいないのにと思いながら、怖さというものは鳥肌が立ちます。

「いかなる状況の下でも卑しい人間のすることは卑しく、高潔な人のすることは高潔だ」を言葉の順番を逆にすれば「いかなる情況下でも高潔なことをする人が高潔な人であり、情況によって卑しいことをしてしまうのは卑しい人間なのだ」あはは、カミュの言葉。

9月に入り「誤解バラック」の稽古と、映画撮影も始まる、そして仕事を来月退職、忙しさはピークに達し正直フラフラ。セッツカレ追い込まれ創作は生まれつつ、でも時間切れにならぬよう・・

今回、演出の山上優さんが目の前に現れなかったら、私達二人は沈没しつつ、誰に振り向かれずともやっていくしかなかったでしょう。でもよかった。人を好きになるときめきも恋も忘れかけていましたが、誰よりも女の気持ち、繊細な感覚を失わず生きる優さんの演出の中で、私達二人は生かされそうです。

地元の駅で上を見上げてる人が多く、自分も空を見上げると、虹が。美しく、久しぶりに見た虹に言葉を失いました。 見に来てくださる方のためにも、心を新たに。お待ちしています!

      2013年9月26日-28日 
新宿サニーサイドシアター  

 

2013年9月1日日曜日

カミュ、生誕100年!『誤解バラック』(ヨシムラ)

1913年に生まれた、アルベール・カミュは、43歳でノーベル文学賞を受賞し、46歳のとき交通事故で亡くなりました。今年が生誕100年です。

 
そして『誤解』は、カミュが33歳のときに書いた戯曲。この戯曲をZORAの第二回公演で上演し、わたしもサカモトも今より少し若く、本行寺というお寺での公演に、サカモトのお母様が来てくださったことなど、いろいろ甦ります。

母と娘という役どころで、私は母を演じ今回も同じ役を演じるのですが、以前とは違った感情がたくさん溢れています。母と娘。母になることがまだ、そしてこれからも多分なく、いつまでも娘の立場で生きているのですが、頼ったり反抗したり疎ましく思ったり、でもとてもかなわなくて正しくて立派で泣いたところなど一度も見たことがなかった母を、思い出したり励まされたりしながら、やっているのかもしれません。

生まれてすぐ父は戦死、聴覚障害のあった母親に育てられたカミュも、『異邦人』や『誤解』の中で、特別な思いを持って、母親を描いているのではないかと思います。カミュの文章は、黙読し、そして声に出して読むときに、心にいきわたってゆきます。

9月になり、まだまだ暑い日も続いていますが、公演の頃は少し涼しくなっているでしょう。『誤解バラック』、ただいま稽古真っ最中です。皆で良い作品にしようと奮闘しております。ぜひ劇場に足をお運びください。

2013年9月26日-28日 
新宿サニーサイドシアター