ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2012年12月29日土曜日

今年の終わりに。(ヨシムラ)

すっぽりと氷に包まれてしまったような街。
今年もあと2日です。

震災後に作られた演劇のなかで扱われる「震災」を観るとき、難しいなと感じることが多い。避けては通れぬ思いもあるが、扱い方が中途半端であっては取り上げる意味がない。

「リクゼンタカタ」

 
 
演劇公演ではないが、ZORAやかもねぎショットでお世話になっている舞台監督の森下紀彦さんが、「陸前高田でいろんな公演をしよう会」を立ち上げ、下北沢スズナリで公演を行った。企画は練りきれていないようにも思ったが、森下さんの思いはストレートだ。とにかく始める、そこからなにかが生まれてくる。なにかやらなければと思いつつなにもしないのはだめなのだ。
 
 
 「トロイアの女たち」
 
 
蜷川幸雄演出のギリシャ悲劇。演じるのは日本人、アラブ人、ユダヤ人の俳優たち。役者たちの母国は今も紛争の渦中にある。この作品の終盤、トロイア陥落のシーンで、原作にはない「地震が来た」という台詞があり、この叫びとともに、大地が揺れ、城壁が崩れ落ち火に包まれる。「闘い」の実感のない日本人。「地震が来た」とは日本人の立ち向かわねばならない闘いであることを示しているように思えた。揺らいだものは大地ばかりではない。そして、決壊した海を分け入り、震える膝を自ら励まし、立ち上がり歩き始めるヘカベの姿は感動的に美しい。誰かについていくのではなく、自分で切り開いていく姿。演じている白石加代子さんの生き方とも重なる。それにしても、たまにはこういう大きな物語の中の演じ手になってみたいものだ。
 
 
 
2012年、ZORAは『蜘蛛女のキス』に挑戦しました。本を選び、読み、考え、闘い、負けそうになるも諦めず。ひとつの作品を生み出すには時間がかかります。年に一本。わたしたちの精一杯ですが、年に一本、いい作品を生み出してゆけたら、と思います。これからも。

今年も一年ありがとうございました。
温かくして、よいお年を。
 


2012年12月23日日曜日

息衝く(サカモト)

今年最後のご案内は、来年撮りはじめる映画「息衝く」です。
公式サイト、是非ご覧ください!



 監督の言う、自律から自立へ。私も、もうひとつ壁を乗り越え、息づく来年になればと思っています。皆さんにとっても、生き生きとした一年になりますように。少し早いですが、よいお年を。


 



2012年12月16日日曜日

むこうの家から(ヨシムラ)

来年3月に、出演する公演の詳細が決まりましたのでお知らせします。


勝田演劇事務所番外公演
『SHOWとショート・ショート』
2013年3月15日−18日
六本木ストライプハウス 

高見亮子作の短編集と素敵なショー(!?)を勝田安彦演出でお送りします。出演は、村松恭子さんとわたし。村松さんは、劇団のひとつ先輩で、ご一緒した時期は 短かったのですが、公私ともにたくさん影響を受けた方です。その後、村松さんは、新宿梁山泊で活躍されたり、それぞれ別の道を辿りましたが、「いつか二人で」の思いが実り今回の公演となりました。華やかで暖かい作品になればと少しずつ稽古を始めています。

先日はチラシの写真を撮るため、衣裳をつけ久々に本格メークをして気分高揚、姉妹のように並ばせていただくと、若かりしころのことや、いろいろな思いがよぎりました。「むこうからいいことが来るような表情で」と村松さんに耳元でささやかれ、「むこう」を見た表情の一枚です。


黄金風景



駒込駅から職場までの本郷通りは銀杏の並木道。色鮮やかな木々の美しさに惹かれずっと歩いてゆくと、東京大学にたどり着きます。正門を入って飛び込んでくるのが、この景色。あまりの美しさに目眩。この季節、イルミネーションもきれいだけれど、銀杏の美しさにはかなわない。美しく盛大に散る葉とともに、今年もあとわずか、と物思う。

2012年12月9日日曜日

愛のゆくえ(サカモト)



冬眠していたはずなのに、外出する事も多くしっかり冬眠できていません。もぐりそこねたもぐらが首を出したり、引っ込めたり。土に栄養をつけ、種を蒔き、ほどよい水を浴び、燦燦と陽の光を浴びたい。冬の陽光は、やさしく穏やか。心が休まります。

来年、はじめて映画に関わります。公開は2014年になりそうです。魚をさばくシーンがあり、急遽習いにも行きました。一緒に出向いてくれた吉村さんも高見さんもお店で楽しそうで、なんだかほほえましい。

監督は木村文洋さん。
昨年「女中たち」の舞台を観に来てくれてから、ずっと観ていただいています。その監督の公開作品、第2作目愛のゆくえ(仮)が、現在公開されています。私もこれから、冬眠からひょっこり抜け出し観にいきます。私が出演するのは、次回作です。チラシの原稿が送られてきましたが、正規のタイトルに心打たれました。年内にはこの映画を、このブログで、皆さんにご紹介できることと思います。

今。原発と地震と選挙と、揺れ動く女心。日本国憲法、基本的人権、この年になって憲法に触れています。これまで、憲法をしっかり読んだこともありませんでした。芸術を通して国のことを考えてもいた気がしていたけれど、いざその機会に触れるのは、身近の金銭を獲得するためでもあったりして。でも、その憲法に触れることが、この国の経過と、今を生きる自分の位置を見定めることもでき、再認識させられます。

今年もあと少しになってきましたね。忘年会にもお呼びをかけていただき、ありがとうございます。けれど今年は冬眠そこねたもぐら、土から這い出せるでしょうか。でもまたきっと芝居を通してお会いできることでしょう。どうぞあたたかく、美味しいものを沢山食べて、体に栄養を!

2012年12月2日日曜日

師走のバッハ(ヨシムラ)

 11月29日
鯵を三枚におろす。


先週の予告通り、サカモトの映画撮影シーンのための「魚をさばく」練習をしに、池ノ上の「鱒夫亭」へ。店主指導のもと、もくもくとアジを三枚におろすサカモト。6尾ほどを終えだんだんサマになってきた様子。さばいたアジを肴に、熱燗をいただきました。秋田出身の鱒夫店主の「きりたんぽ汁」もとても美味。かもねぎショットの高見亮子さんも加わり、昔話や来年の芝居のこと、また居合わせた常連のお客さんとも話が弾み、楽しい夜になりました。


12月1日
三十路会。


以前働いていた麹町の財団の同僚と忘年会。30代で結成し、歳月は過ぎるも集まるときはいつも「三十路会」。巣鴨地蔵通り商店街の名店、加瀬政で食す「鱈と白子の鍋」。青森直送の新鮮な白子がてんこ盛り。たまりません。

12月2日
青のはて。


ZORAでお世話になっている扇田拓也さんが演出を手がける「てがみ座」公演を観に吉祥寺へ。宮澤賢治の旅から始まる物語。力強い作品と挑戦的な演出に驚かされながらも、役者さんの岩手弁がなんとも心地よく響きます。気がつけば、秋田、青森、岩手とすっかり東北づいている日々でした。

12月になり、急に寒さも時間の早さも加速するようです。色づいて落ちる銀杏の葉を踏みながらバッハ。師走にはベートーベンよりバッハが似合う。夜になり冷たい雨。落葉も加速して本格的に冬、です。風邪に気をつけて健やかにお過ごしください。