休憩室のテレビで「竜巻警報」と伝えている。「へえ、東京で竜巻ね」と思って、テレビの後ろの窓に目を移すと、まさに竜巻が起こっていて、木片や、骨から離れてビニールだけになった傘が、くるくると宙を舞っていた。雨粒もまわってなんだかすごい模様をつくっている。しばし見とれながら、子供の頃の台風の前のざわざわとした気持ちや、停電に備えてろうそくの火でご飯を食べる予行演習を家族でしたことなど思い出していた。
仕事を終え、決意して嵐に身を投じ、洗濯機から出てきた人みたいになりながら駅にたどり着くと、時おそし、全ての電車が止まっている。帰宅難民。まさにそんな感じの群れが構内にあふれている。どうしても帰らなければならない家があるわけでもないが、帰れないとなると、ぜひ帰りたくなる。不思議だ。唯一動いていた大江戸線で森下まで行き、懐かしい店でハンバーグを食べていたら、「電車が動き出しました」と知らない人が教えてくれた。
東京。台風で荒れた街も、疲れきった人々も愛おしく。
台風のあと、終わらないと思ってた夏の終わり。 秋の始まりまでの、スキマ。
「スキマに立つ」お稽古は快調に和やかに進行中!
近々、公演案内をお届けいたします♪
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