「恩讐の彼方にありがとう、ありがとう。」ある会見で、この言葉がテレビから流れだしたきとき、私は鳥肌がたつような思いに駆られました。心に電流が流れたのは、その方の波動の強さも勿論だけれど、この言葉の深い意味、ひだ、日本語の美しさ。言葉ならではのなせる技です。このような言葉が口から発せられることも、現代ではめぐり合えない。私が能に惹かれた理由も、現代では、日常使用されない言葉。密度の深さ、流れ、韻を踏む繰り返しが、心に突き刺さってきたからです。
ところで連日のどんちゃん騒ぎで、部屋は散らかり放題。9月はスイッチする季節。深夜までのカラオケでは、中島みゆきさんの「宙船」には勇気づけられました。言葉が旋律に乗って、歌となり、戦う気持ちを後押ししてくれる。天高く馬肥ゆる秋。この言葉の由来も、昔は単純に、秋の清々しい空と食べものが美味しい秋を思っていました。が・・・。
小さな憎しみも小さな愛も、吸い上げられてしまいそうな空に向かって、私ももう一歩、乗り出します。10月は新しい役に挑戦。そして11月、下北沢「スズナリ」で皆様とお会いできましたら。これから、かもねぎショット公演(11/9~14)のDMを送らせていただきます。どうぞ、お楽しみに!