ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2013年3月24日日曜日

晴れやかに(サカモト)

     2012 韓国新人作家シリーズ「パパのパパごっこ」 

急に桜が咲いた。父のお墓参り、千鳥ヶ淵の夜桜、友と飲み交わす。迎え来る4月。年度末迄にはやらねばならないことがある。私はこれまで以上に区切りを大切にするようになった気がする。これまでは勇気がなかった。けれど自分が決めた区切りの中で、やりとげられないことはやはりできないと思うようになった。譲れないものは大切にしなければならない。

二つの稽古をかけもちしながら舞台観劇が続く。吉村さんを客観視する。発見があった。これからのZORAの配役を考えさせられた。吉村さんはもっと外部の人とやってくれると私もこのような機会に恵まれる。そしてまた違う舞台を観る、そして又、また。舞台の闇の中で思う。国境を越えても、超えなくても、見ている人に納得させる核、魂とは何なのだろうと思う。

私は5階に住んでいる。ここに引越してきた15年前、桜がちょうどベランダ脇斜め下に聳え立ち、その美しさといったらなかった。毎年、桜を見るのが楽しみであった。風が吹くとベランダは桜の花びらで一杯になった。


それから何年か後に引越してきた1階の年配姉妹が、桜の木に関して文句を言うようになった。風が吹くと毛虫が飛んできて厄介だという。だから桜の木を伐採してくれと。私はビックリした。なんだかこの姉妹はとてつもなく大変なことを言い出したなあと。何十年もこの地で生き続けていた木を、これまでだって被害を蒙った方だっていただろうに。けれど5階には美しいものが、1階には被害。それから桜の季節もすぐに過ぎ去り、自分は忙しさにかまけているうちその問題も忘れていた。が、その問題は受理され、桜の木は伐採された。輪切りのあとを見たとき、私はとても悲しくなってしまった。翌年桜は咲かず、その半年後、その姉妹の姉はすぐそばの通りで車に跳ねられ死亡。妹は逃げるように、姉の着物、バッグ、草履を無造作に燃えないゴミの日に出し、引越ししていった。


久しぶりに語ります!



高瀬舟 日本文学の素晴らしさを今一度堪能していただきたく、京都の桜散る春の一夜を浅草で語り継ぎたいと思います。

ご予約は、zora_agota@yahoo.co.jp