2011.8 「女中たち」 クレール役: 坂本
生暖かい風に慣れない。強風ばかりに煽られていると、それが普通になり心の繊細な襞にも気づかなくなる。昔を思えば、小さい頃から口答えするなという教育が施され、そのおかげで従順な性格に見られつつもあったが、心の奥底ではちがうちがうと思っていた時間が長かった。最近、この齢になり人間の嫉妬とよくわからぬ呪いの恐怖に煽られ、夜中、大声を出し飛び起きてしまった。人間ほど恐いものはない。
叫んでしまいたい衝動、抑え切れない思いを何で発奮すればいいのか、そんなこんなで演劇の道に入ったのかもしれない。けれど問題は今も叫びたいという気持ちが消えないことである。意思というものは、どんなに醜くても粗野でも伝えなければ伝わらない。そこで闘争が始まるのである。
いい台本を求めるのは、いい台本でなければ狂いようがないからである。中途半端な本はそれなりの結果しか残らない。土台があれば、そこからはみ出したり、沈んだりすることができる。やはり、成し遂げるべき目標というものは必然なのだ。芸術のよさは勉強ではなく一途な思いであったりする。頭で考えることでの限界に太刀打ちできるのは、それを裏切ることができるのは、どうしても引けない思いであったりする。これだけは伝えなくては気がすまないという思い。
チェ・ミンス チョン・ウソン
そんな折、韓国のストレートな男の魂を感じる映画を見た。1999年、幽霊(ユリョン)。傲慢なアメリカや日本に打ち勝つと豪語する、ひとりの男。いつまでも屈辱の歴史を追わされないためにも強くあらねばという彼・・・。チェ・ミンスの色香が漂う。チェ・ミンス演じる艦長の引けない思いは超リアルである。それも個人の小ささではない。国を背負い歴史を背負い破滅していく男。
小さい頃、口答えは悪いことのように封じられていましたが、今は正当に意見を述べたい。でもそのおかげで年度終わりの3月は疲れ切りました。だけど私が吐露したことによって支持してくれる仲間もできてくる。桜が咲いて散りはじめ、やっと元気がでてきました。今年はこれからです!