いただきもののアロマキャンドルが増え、ふと思いつきお風呂にたくさん並べ入ると、暗闇に白い湯煙がもうもうと照らし出され、幻想的な気分になる。普段、電気を点けているときには見えない煙がこんなに充満しているのかと、面白くてすっかりやみつきになってしまった。スイッチひとつで灯りを供給していたときには思いもよらず、はっとさせられる。
自分のこころが、急変した出来事についてゆけず、力を失いかけた夏の終わり、木村文洋さんの映画「へばの」を見た。そして今日で3回目、時間をおいて見た。その時は自分がセンチメンタルだったから心にフィットしたのか、確認したい気がしていたのだ。でもやはりよかった。やさしくて、沢山のことをやろうとせず、人がちゃんとそこにいる。
映画を見終わり、本郷三丁目から清澄白川に移動し、吉村さんと合流。この日の夜は、久しぶりに知り合いのソロダンスを見るためだ。けれど寒くて寒くて、ラーメンでもと店を伺って歩いているうち、森下方向に行きつき、懐かしい魚三酒場に出くわした。ここは安くて美味しくて、昔、稽古の帰りによく来た。ダンスを見る前ではあったけど、あったかい白子汁に熱燗をちびちびやりながら、からだを温め、来年のZORAの公演について話しあった。話せば出てくる。まだまだこれからだけど。
そしてダンスを見終え、家路に着く。誰もが頑張っている。でもそこからだと自分に言い聞かせる。今日一日に不思議に感謝。小さいところから始めた節電も、楽しみに変わってきた。今日もろうそく風呂に浸かり、寝よう。皆さんも、年内、どうぞ暖かくお過ごしください。