不安定な体に、梅雨明けの容赦ない暑さが襲いかかる。高湿の外気は重く、なにもかも嫌になりそうな夏。この不安と苛立ちと気候を持て余して弱々しく拳を握りしめている。加齢による容姿の変化は徐々に慣らしてゆけるものだが、今のこの変化は。主観的には絶望し、客観的にはおもしろがりながら、この先なにかの役に立つなら立てと弱々しく拳を握りしめている。
マルコ・ベロッキオ特集
どこかでこのチラシを見て、この映画も監督も知らなかったけれど、ただこのチラシに惹かれて、イメージフォーラムへ。
あまりにも衝撃的。この衝撃を誰かと共有したくもあり、誰にも言いたくない気分でもあり。1965年、ベロッキオ監督のデビュー作。残忍で斬新、意表をつく演出。崩壊してゆく家族を淡々とかつ鮮烈に描き、ぞくぞくする狂気と、疾走していく爽快さもあり。今の苛立ちと太陽の季節に、このイタリア映画はまさにツボだったのである。
朝顔 その3 |