今年を振り返るにはまだ少し早いのですが、今年は2本、濃厚な作品とのかかわりがあり、自分では「精魂尽き果てるまで」の思いで臨みましたが、まだまだ。これから、役者として、ZORAとして、どのように取り組むかを考えながらまた少しずつ進んでゆけたら。
来年の第一弾は、新春3月の公演です。20数年前、劇団でお世話になった大好きな先輩、村松恭子さんとの二人芝居。かもねぎショットの高見亮子さん作、勝田安彦さん演出で、おもしろくて悲しくてすこし怖い二人芝居を二本立てでお届けする予定です。今少しずつ準備を始めています。長く芝居を続けて来て良かったと思えるのは、こうしてまた、かつて熱い時代をともに過ごした方と、再び出会い一緒に芝居を作れることです。続けることは大切です。
和服でお稽古中。左が村松恭子さん。
子供の頃、朝なかなか起きない私たち姉妹に、母は歌を歌って起こしてくれました。「ちょうちょ、ちょうちょ、なのはにとまれ〜」の節で「起きよ、起きよ、おりこうのみなさん〜」と近所中に聞こえるような大声で歌うのです。恥ずかしくてやめて欲しいと思ってしぶしぶ起きたものです。だいぶ大人になり、なにもかもいやになる夜や、行き詰まるとき、なかなか布団から出られない朝などは、この頃なぜか母の歌を思い出し、「起きよ、起きよ」と自ら歌い、元気を出しているのです。