ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2012年11月4日日曜日

実り(ヨシムラ)

雲を一掃してどこまでも高く青い空の下、澄んだ空気を吸い込み、短く美しい季節を感じます。



サカモト出演の「韓国新人劇作家シリーズ第一弾」を先日観てきました。韓国の劇作家による短編3本です。短編とはいえ50分近い作品3本の同時上演は、出演する方も観客も体力勝負。客席は満員で熱気があります。

どの作品も「家族」がテーマになっており、現代韓国の家族の問題を描いています。サカモト出演の「パパのパパごっこ」は夫と妻の一人二役がくるくると入れ替わりばかばかしさの中にも悲哀とあたたかさが感じられる作品でした。男役の続いているサカモトの女役、しかもピンクのワンピース姿のかわいい妻の役がツボにはまりました。

韓国とわたし。
韓流ドラマの直情的な表現に「それを言っちゃあ、おしまいよ」とつっこみ、察する日本人の「機微」を、向田邦子を好む。極彩色より、淡い色や陰影にひかれる。従軍慰安婦や最近では領土問題が取りざたされてもピンと来ず。平和の裏返しなのかもしれないけれど、歴史や政治、経済に無関心、無頓着すぎる半生を送ってきたものだとつくづく思う。今日の芝居にしても家族から世相が、世相から社会が映される。主張がある。そして熱い。なにはともあれこの熱気には勢いを感じる。

近くて遠い韓国を考えるきっかけにもなり、懐かしい韓国の友人を思い出し、サカモトの知っているようで知らなかった意外な一面を発見した夜。しかし終演後の居酒屋で、サンマの塩焼と熱燗に「あぁ、日本人でよかった」と思わずつぶやいてしまうのでした。


公演は本日が千秋楽。本当におつかれさまでした!私ヨシムラは来年の3月、新しい試みに挑む公演のための準備を始めたところです。詳細はまた追ってお知らせします。わたしたちにとって実り多き秋となりますように。

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