ABOUT US

1982早稲田小劇場入団
1988劇団第三エロチカ入団
2001ZORAを劇団第三エロチカ吉村、坂本で活動。
2015吉村他界。
2019ZORAを閉じる。
2021「プロジェクト榮」を、演出:俳優/篠本賢一、
舞踊家:俳優/花柳妙千鶴と活動開始。
2023「よなよな」久保庭尚子と立ち上げ。

2012年11月25日日曜日

「韓国劇作家シリーズ第一弾」《パパのパパごっこ》写真館(サカモト)

写真撮影:原節子










舞台写真ができあがってきました!
他の2作品についても次から検索できます→モズ企画
こうして時間が経ってからみると、やっている時は余裕がなくあたふたしていても、ああやってよかったなと愛着が沸いてきます。関わった全ての方に改めてありがとう!

「パパのパパごっこ」
作:オ・セヒョク
演出:荒川貴代
出演:久保庭尚子、坂本容志枝
配役:ハゲ、オカッパ:坂本容志枝
   ヘッピリ、パーマ:久保庭尚子
作曲:功刀達哉

そして
              パク・シニャンさん

作家のオ・セヒョクさんは、韓国の有名俳優、パク・シニャンの奨学金制度によって援助を受け勉学された方です。その関係もあってパク・シニャンさんのフアンの方も観に来てくださいました。パク・シニャンさんは「パリの恋人」で拝見させていただきましたが、品のよさ、知的さ、男性の大きな懐を踏まえた魅力があって私も唸りました。こうして、これまでお会いしたことがなかった方とも出会えて、本当にうれしいと思います。

そして↓作家のオ・セヒョクさんです!なんと若いですね、この若さで解雇、リストラの話を書いてしまいました。韓国は学歴社会。俳優もほとんどは大卒。サラリーマンの世界でも、競争は激しいです。

              オ・セヒョクさん

すっかり寒くなり、私はといえば冬眠中。少しこもります。でも、来年撮影する映画で、魚をさばくシーンがあり、昔いた劇団の先輩が経営している店に出向き、教えていただきます。そこで久しぶりに、ZORA吉村さんや、かもねぎショットの高見さんに会います。それ以外は、ひたすらこもります。さみしいけど、今はそんな時期です。ブログは更新しますので、また、ここで、お会いしましょう!

2012年11月18日日曜日

木枯らし1号(ヨシムラ)

雨あがり。晴天の朝はぐっと冷えて、季節がどんどん動いていくのを感じます。歩道橋から見えるスカイツリーはクリスマス色に染まり、橋の下のホームレスはどこかへ渡っていきました。政治が動き、92歳の女優が逝き、そわそわとした気分で、街に木枯らしが吹いています。

お散歩中、深まりゆく秋を写してみました。




今年を振り返るにはまだ少し早いのですが、今年は2本、濃厚な作品とのかかわりがあり、自分では「精魂尽き果てるまで」の思いで臨みましたが、まだまだ。これから、役者として、ZORAとして、どのように取り組むかを考えながらまた少しずつ進んでゆけたら。

来年の第一弾は、新春3月の公演です。20数年前、劇団でお世話になった大好きな先輩、村松恭子さんとの二人芝居。かもねぎショットの高見亮子さん作、勝田安彦さん演出で、おもしろくて悲しくてすこし怖い二人芝居を二本立てでお届けする予定です。今少しずつ準備を始めています。長く芝居を続けて来て良かったと思えるのは、こうしてまた、かつて熱い時代をともに過ごした方と、再び出会い一緒に芝居を作れることです。続けることは大切です。

和服でお稽古中。左が村松恭子さん。

子供の頃、朝なかなか起きない私たち姉妹に、母は歌を歌って起こしてくれました。「ちょうちょ、ちょうちょ、なのはにとまれ〜」の節で「起きよ、起きよ、おりこうのみなさん〜」と近所中に聞こえるような大声で歌うのです。恥ずかしくてやめて欲しいと思ってしぶしぶ起きたものです。だいぶ大人になり、なにもかもいやになる夜や、行き詰まるとき、なかなか布団から出られない朝などは、この頃なぜか母の歌を思い出し、「起きよ、起きよ」と自ら歌い、元気を出しているのです。

2012年11月10日土曜日

朝霧は晴れ(サカモト)



千秋楽の翌日にも仕事が入っているのに、皆と新宿で二次会のカラオケ、日本、韓国人入り乱れ、歌い踊り、ふと冷め、帰らなくてはと店を後にタクシーに飛び乗る。一次会の中華飯店で紹興酒、カラオケ屋でカンパリソーダを飲み続け、胃の中は混濁状態。翌朝、久しぶりの二日酔いで、気持ちが悪く、疲れはピークに達し、必死の思いではいずり起き、仕事場の駅にたどり着いたところ、「さかもとさ~ん」と声をかけられる。眠りから覚めたように、彼女の顔が天使のように思えました。ああ、この人も見に来てくれた。一枚のチケットを買っていただけるありがたさを、しみじみ感じます。

それから二日経った朝、本当に丸一日の久しぶりの休日が訪れました。自分で言うのもあれですが、いつも忙しい。カーテンを空け、ベランダに出ると、外はまっ白、もうもうと、霧です。霧が覆い尽くし何も見えない。やっと終わった、この安堵は今年の舞台3本に対する、安堵でもあります。6月にかもねぎショット、8ZORA、そして11月今回のモズ企画。三本共、まるで違う役どころでした。
                
                  
     終演後、相手役の久保庭さんと  

今回のモズ企画「韓国新人劇作家シリーズ第一弾」に関わって考えさせられました。新しいことに関わるということは、さまざまなことを受け入れるということでもあるから、これまでにない疲れを感じ、消耗しました。でも歩み出さなければ、何も生まれはしないし、感動もない。       
                
           
テレビのお天気お姉さんが、「朝、霧が立ち込めますが、こういう日は晴れます!」とコメントしています。なんだか元気がでてきました。暗中模索の中でも、晴れる日は訪れる。これまでだって、かすかな自分の直感を信じやってきただけなのだから。

観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました!これからもどうぞよろしくお願いいたします。お客様に支えられ、鍛えられ、やっていくことができます。そして、勝手ではありますが、時間を経ても、こうしてお会いできることに感謝しています。寒くなってきましたので、暖かく、どうぞおからだを大切に。また、是非お会いしましょう!

・舞台写真は、後日、お届けします~

♪初日に見て下さった方から、こんなコメントをいただきました!↓

はじめまして。昨日友達とタイニイアリスでオ・セヒョクさん作「パパのパパごっこ」を観ました。とても面白かったです。セヒョクさんのお芝居を日本語で観れたことは韓国語が分からない私達にとってとても意味深い事だと思います。そして女優さんが演じられた事も面白さに一役も二役も買っていると思いました。テンポの良さ、セリフの歯切れの良さ。まるでコントを観ているようでした^^有難うございました。もし韓国で同じお芝居を観ても言葉の壁があるので、セヒョクさんの言わんとする事がどこまで掴めるたか?今回の企画に感謝と共に、俳優さんお二人の演技力に感謝致します。

2012年11月4日日曜日

実り(ヨシムラ)

雲を一掃してどこまでも高く青い空の下、澄んだ空気を吸い込み、短く美しい季節を感じます。



サカモト出演の「韓国新人劇作家シリーズ第一弾」を先日観てきました。韓国の劇作家による短編3本です。短編とはいえ50分近い作品3本の同時上演は、出演する方も観客も体力勝負。客席は満員で熱気があります。

どの作品も「家族」がテーマになっており、現代韓国の家族の問題を描いています。サカモト出演の「パパのパパごっこ」は夫と妻の一人二役がくるくると入れ替わりばかばかしさの中にも悲哀とあたたかさが感じられる作品でした。男役の続いているサカモトの女役、しかもピンクのワンピース姿のかわいい妻の役がツボにはまりました。

韓国とわたし。
韓流ドラマの直情的な表現に「それを言っちゃあ、おしまいよ」とつっこみ、察する日本人の「機微」を、向田邦子を好む。極彩色より、淡い色や陰影にひかれる。従軍慰安婦や最近では領土問題が取りざたされてもピンと来ず。平和の裏返しなのかもしれないけれど、歴史や政治、経済に無関心、無頓着すぎる半生を送ってきたものだとつくづく思う。今日の芝居にしても家族から世相が、世相から社会が映される。主張がある。そして熱い。なにはともあれこの熱気には勢いを感じる。

近くて遠い韓国を考えるきっかけにもなり、懐かしい韓国の友人を思い出し、サカモトの知っているようで知らなかった意外な一面を発見した夜。しかし終演後の居酒屋で、サンマの塩焼と熱燗に「あぁ、日本人でよかった」と思わずつぶやいてしまうのでした。


公演は本日が千秋楽。本当におつかれさまでした!私ヨシムラは来年の3月、新しい試みに挑む公演のための準備を始めたところです。詳細はまた追ってお知らせします。わたしたちにとって実り多き秋となりますように。