猫が好き。
この何年か、まず母、それから夫、猫、父、と剥がれるように親密なものたちが次々と去りゆき、本当に誰にも干渉されない、好きなだけお菓子を食べてもいい、子どもの頃に夢見ていたような生活を送っている訳だが、「ここに猫が居てくれたら」とときどき思う。
猫のいない生活になって3年。1月は猫好きの人々から猫の年賀状が届くので眺めている。藤田嗣治の猫、歌川国芳の猫も好き。というわけで、仕事帰り
「歌川国芳展」に行ってきた。六本木ヒルズのギャラリーは行列ができるほどの大盛況。お目当ての猫はもちろん、素晴らしくもばかばかしい、奔放な江戸の風俗がいきいきと描かれた世界の中に浸る。江戸の洒脱、芸能が華やかに息づいていた時代に憧れる。
歌川国芳展
さて。
先日は、今年のZORAについての会議(ふたりだけですが)で新宿へ。芝居に対する姿勢や見解、性格も嗜好も異なるわれわれは、ゆるやかに話し合っていたのだが、あるきっかけでとんとんと状況が動き、動いたことで新しい扉が開いていった。こういうことがときどきあっておもしろい。時は流れる。眠っていても怠けていても。畑を耕し準備して、どんな作物を植えるか。これからである。