彼岸花が咲く。
季節の花の彩に思い出が蘇る。この10年別れもあり新しい出会いもあった。そして仕事も大きく変わった。私の中の転換期だったのだろう。今やっとそう思える自分がいる。
2011年の地震、ソウルのホテルでNHKから地震後の現場が画面に映し出され、韓国のニュースキャスターが日本の現状を伝えている。私は気持ちをどこに持っていけばいいのか、ざわつき、異国にいることにより遠くどこか他人事のような感覚で見ている自分も感じ、肝にスーッと何かが落ちていく気がしていた。
2011年1月釜山の稽古場。寒さの中1日稽古していました。燃えていました。
この年はそれから、ジャンジュネ「女中たち」を釜山、金海(キメ)蜜陽(ミリャン)、居昌(コチャン)で上演し、新宿タイニイアリスで凱旋公演。
外国語は喋れないけれど、二十歳の時から演劇を通して異文化に触れあい、感じあう喜び、面白さ、楽しみも見つけた。国と国の諍いは消えないけれど、触れ合った外国の方達は皆優しかった。
そして思いだしてほしい、芸術を志す人の荒ぶる魂を。生きづらさを抱え、表現することにより救われる人もいることを。人は一人ひとり違う。家族だって同じじゃない。
だから友達を愛する人を、他人を求める。仲間は大事。休みになるたびにこの10年の整理をし、感傷的になり、捨てる紙の膨大さに疲れ、でもこれからが未来への舵取り。
新しくスタートしていきたいと思います!