ある音楽が駅から流れる。毎日のように通う駅のひとつ前で必ず時間調整があり、流れだし目が覚める。
いろいろな思いが錯綜はするが、自分の疲れもあり眠い。毎日気づくと夜。秋の高い空はどこへ・・・。
20時近く、空腹でもうだめだと到着した駅横のそば屋に入り、わかめそばを自販機でチケットを購入。やっとありつけたと温かいそばを大切にテーブルに運ぼうと移動したとき、閉店間際で疲れ、掃除をしているおばさんがろくすっぽ周りもみずに、私が座ろうとした横の椅子を大きく引いた。その椅子は私の腰にあたった。
痛い。
気づいていないのか?知らん顔。帰りたくてしょうがないのだ。
普段なら気づかない振りもできたが、なぜか無償に怒りがこみあげてきた。
「あの・・・今、当たって痛いんですけど」
「えつ・・・あっそうなの。ごめんなさいね。全然きづかなくて。」
申しわけないがいかにもずうずうしい風貌なのだ。
こんなところで血圧をあげなくてもいいだろうと思いながら、皮肉のひとつも言いたくなる。いや言わなくてはだめだろう。これは皮肉ではない。正当だ。腐った気持ちを切り替え切り替え、そばをほおばる。ああ悔しい。
ふと声がよぎった。
「サカモトはよくくやしいって言うよね…」
そばやを出て早く目的地へ行かねば、時間がないと思う。寒空。さみしい街。
~毎夜、ここから東京の夜景を見る。東京タワーとスカイツリーが両方見える。二つの塔は日によって色を変える。 ハロウィンの時、満月の時。満月の時に東京タワーは満月をより輝かせるために、頂上部分の色合いを変える。 何かを輝かせるために・・・か。ここへきて私が癒されているのかもしれない。
また寒空に出る。家まではずっと遠い。ああ、そばぐらいじゃ空腹は満たされない。