慌ただしく新年を迎え、今年もまたそれぞれ新しい作品に関わり、芝居と並走する生活が始まりつつあります。
2001年に始動したZORAも、15年めに突入。1年に一本弱とスローペースではありましたが、15年続けてきたことの感慨と、感謝を改めて感じます。現代を生きる女の希望、絶望、渇望を描きたいと、ぎりぎりのところで、やれることの精一杯を作品にぶつけてきましたが、時を経て今は少し穏やかな気持ちで、ZORAを考えています。アゴタ・クリストフの台詞に心震えたこと、イヨネスコの作品に食らいついたことが財産となっており、これからも、挑み続けることに変わりはありません。
生まれてからだいぶ経つ。しかし私は自分になにが起きたのかまだ分からない。私はつねに生きようとしてきたが、生をまともに受けとめたことがなかった。イヨネスコ『雑記帳』より